抗うつ薬の作用 13

● うつ病は再発しやすい病気なので、 症状がよくなってもその状態を維持するためにしばらくの間、 くすりの服用を続けることが大切なためです。● 医師の指示がないのに勝手にくすりの服用をやめることは、 うつ病の再発や慢性化の一番の原因になるためです。

抗うつ薬の作用 12

●症状がよくなって患者さんが治ったと思っていても、それはくすりによって症状が抑えられており、 本当によくなったわけではない場合があるためです。 そのため、医師の指示のある間はくすりの服用を続けてください。 しかし、だんだんと症状がよくなればく…

抗うつ薬の作用 11

?抗うつ薬は症状がよくなってもしばらくは服用を続ける「頭では分かっているけれど、早くくすりをやめたい」、 これは患者さんの本音だと思います。しかし、抗うつ薬は、医師の指示がある間は服用を続けなければなりません。 その理由には次のことがあります…

抗うつ薬の作用 10

?抗うつ薬は少量から始めて少しずつ増やしていく抗うつ薬の服用は基本的に少量から始めて少しずつのむ量を増やしていきます。これは、それぞれの患者さんに必要な量を調整したり、 少量から始めることにより副作用を避けるためです。くすりの量が増えると「…

抗うつ薬の作用 9

効果が現れ、症状が改善されてくるまでに約2〜4週間ほどかかることがあります。 そのため、くすりをのみ始めてすぐに効果が現れないからといってあせったり心配する必要はありません。また、勝手にくすりの服用をやめてしまうのもいけません

抗うつ薬の作用 8

抗うつ薬の特徴 それぞれの抗うつ薬の特徴を説明する前に、 まず抗うつ薬の全般的な特徴を理解しましょう。抗うつ薬には以下のような3つの特徴があります。 ?抗うつ薬の効果は、すぐには現れない抗うつ薬は即効性のあるくすりではないため、 病院で処方され…

抗うつ薬の作用 7

抗うつ薬によるうつ病の治療の特徴 うつ病の治療に使用される抗うつ薬にはさまざまな種類があり、 それぞれに特徴が異なります。おおまかなくすりの特徴を知っておくことは治療を進めるうえで大切なことです。

抗うつ剤について 6

抗うつ薬はこのセロトニンやノルアドレナリンが再び取り込まれる入り口に蓋をして、 細胞への再取り込みを防ぎます。これによって、うつ病の人で減少している細胞間隙のセロトニンやノルアドレナリンの量が 増加するため、意欲や活力などの情報伝達が繰り返…

抗うつ剤について 5.

抗うつ薬が神経伝達物質のバランスの乱れを修正 神経細胞からほかの神経細胞に情報を伝達するために放出された セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質は、受け手の細胞に情報を伝達したあと、 その一部は元の細胞に再び取り込まれます。

抗うつ剤について 4

しかし、うつ病の人では、この神経伝達物質のうち セロトニンやノルアドレナリンという物質が減少してしまい、情報がスムーズに伝わらなくなります。 セロトニンやノルアドレナリンは意欲や活力を伝える働きをしているため、 この情報の伝達がスムーズにでき…

抗うつ剤について 3

うつ病の原因は脳内神経伝達物質のバランスの乱れ 人間の脳は約1000億個の神経細胞からできています。そして、脳内での情報(命令や指令)は“神経伝達物質”という物質の仲介によって、 細胞から細胞にスムーズに伝えられるシステムになっています。バケツリ…

抗うつ剤について 2

抗うつ薬がうつ病の治療に必要な理由 抗うつ薬がうつ病の治療に使用される理由は、 うつ病で生じる脳内神経伝達物質のバランスの乱れを修正するためです。 抗うつ薬を服用することで、気分の落ち込みなどが改善されても、 それはくすりによって性格が変わっ…

抗うつ剤について

うつ病の治療に使用されるくすりを“抗うつ薬”といい、これが治療の中心になります。そのため、この抗うつ薬について正しく理解することは大切なことです。現在うつ状態に悩んでいる人や、くすりの服用に抵抗を感じている人が安心して治療に取り組めるように…

薬を服用する際に注意すべきこと

抗うつ薬に限らず、どのような薬でも体にとっては異物です。したがって、有効性(効果)だけではなく、安全性(副作用)にも十分気をつける必要があります。薬から得られる利益(ベネフィット)と不利益(リスク)のバランスが重要であり、医師はより安全に…

そのほかの薬剤 2

また、漢方薬が処方される場合もあり、患者さんによっては効果を示す場合もあるようです。どのような薬についてもいえることですが、 服用する際には、目的や効果・安全性についてよく理解し納得した上で使用することが重要です。少しでも疑問な点があったら…

そのほかの薬剤 1

抗うつ薬による治療でもなかなか効果が得られない場合、その他の薬を併用した「強化療法」を行うことがあります。これは、あくまで抗うつ薬による治療に反応しない場合に限られます。 強化療法には、気分安定薬と呼ばれる炭酸リチウムやバルプロ酸などの「気…

睡眠薬 7

治療上の役割うつ病の治療においては、睡眠薬は不眠を軽減させるための対症的な薬として捉えましょう。不眠の背景にうつ病があるため、それを治療しなければ根本的に不眠も改善しません。 従って、十分な休息と抗うつ薬による治療が原則ですが 抗不安薬と同…

睡眠薬 6

基本的な作用 ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、同様の構造をもった抗不安薬と同じ作用がありますが、 抗不安作用はそれほどでもなく、睡眠を起こす作用の方が強いため、睡眠薬として用いられています。化学構造の異なる非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、 ベン…

睡眠薬 5

長時間型 クアゼパム フルラゼパム ハロキサゾラム 超長時間型 プラゼパム ロフラゼプ酸 フルトプラゼパム 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬 超短時間型 ゾピクロン ゾルピデム メラトニン受容体作動薬 超短時間型 ラメルテオン

睡眠薬 4

日本で使用可能な主な睡眠薬ベンゾジアゼピン系睡眠薬 超短時間型 トリアゾラム短時間型 ブロチゾラム ロルメタゼパム リルマザホン中間型 フルニトラゼパム ニトラゼパム エスタゾラム ニメタゼパム

睡眠薬 3

睡眠薬の種類抗不安薬とほぼ同様ですが、 ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系(ベンゾジアゼピンの化学構造ではないもの)があります。通常、それぞれの薬の作用時間によって、 超短時間作用型(6時間以内)、短時間作用型(6〜12時間以内)、中間作…

睡眠薬 2

睡眠薬は、必要に応じた一定の期間、必要な量だけを上手に服用すればよいのです。世間一般では「睡眠薬を飲むと習慣になって、飲まないと眠れなくなる」 「睡眠薬を連用すると量が増えて中毒になってしまう」 などと言われることも少なくありませんが、実際…

睡眠薬 1

睡眠薬はうつ病の患者さんに多い「不眠」を改善する薬です。 「睡眠導入薬」と呼ばれることもあります。患者さんの不眠が改善されれば、精神的にも身体的にも健康となって、 睡眠薬がなくても眠れるようになるのが通例です。

抗不安薬 8

患者さんによっては、抗うつ薬開始から数日〜2週間くらいの比較的初期の段階で、不安やイライラ感が強まったり、不眠になることがあります。抗不安薬は、このような場合に短期間抗うつ薬と併用することが望ましいとされています。抗うつ薬の効果が現れたら抗…

抗不安薬 7

治療上の役割抗不安薬の効果は、服用後1〜2時間くらいで現れるため、抗うつ薬に比べて速く効果を示します。ただし、うつ病においては、多岐にわたる症状のうち、不安やイライラ感を対症的に軽減させる意味で使用され、、うつ病そのものの治療手段ではありま…

抗不安薬 6

抗不安薬の作用機序には、ガンマアミノ酪酸(GABA:ギャバ)が関わっています。 (ちょっと前にチョコレートにこれを含めて販売されたものが注目されましたので、ご存じの方も多いのでは?ストレスに対する効果が期待できるといううたい文句でしたね)GABAは…

抗不安薬 5

基本的な作用ここでは、ベンゾジアゼピン系(チエノジアゼピン系を含む) の抗不安薬の作用について解説します。抗不安薬は、脳内におけるヒトの情動と密接な関係を持つ大脳辺縁系と、 視床下部という部位に対して「抑制的」に作用することで、不安や緊張を…

抗不安薬 4

この中で、最もよく使用されるのが ベンゾジアゼピン系とチエノジアゼピン系に分類される抗不安薬です。この2つは、構造が少し異なるだけで作用はほぼ同様のため、 同じ種類のものと考えてよいでしょう。同じ種類であっても、短時間(3時間くらい)効果を示…

抗不安薬 3

日本で使用可能な抗不安薬(2010年11月現在) ベンゾジアゼピン系抗不安薬 ・短時間型・・・クロチアゼパム エチゾラム(=チエノジアゼピン系抗不安薬) フルタゾラム ・中時間型・・・ロラゼパム アルプラゾラム ブロマゼパム ・長時間型・・・ジアゼパム …

抗不安薬 2

抗不安薬はその化学構造の種類で以下に分類されます。 * ベンゾジアゼピン系 * チエノジアゼピン系 * ジフェニルメタン系 * その他(セロトニン作動性)